たなから1金

最近はまっているボードゲームについて書き散らかします。

アルナック記念企画 鳥初級編 研究を上げ切るために

注) この記事は攻略記事です。多大なネタバレを含みます。

基本編では、先着限定のランダムボーナスと研究トラックで固定のボーナスを合わせたおつりを考えると、研究を上げ切るのが最も点数"効率"が良いということを解説しました。 研究を上げ切らずに勝つのは稀なケースとなるため、ここでは、まず研究を上げ切るためにどうしたらよいかを解説します。

研究トラックの確認

まず、研究を上げ切るために最終的に必要な"生産力"を考えてみましょう。 研究トラックを上げるルートは組み合わせ含め多数ありますが、参考までに標準的なリソース量を計算してみます。 鳥寺院の場合は、4ステップ目の2矢じりが"重い"コストのため、これを除いて、グラスを左・手帳を右ルートから上げたとします。

g:お金, c:磁石, t: 石板, a:矢じり, j:宝石
グラス: (c+a)+(j)+(2t+a)+(g+t+a)+(g+j)+(c+j)+(g+t+a)+(g+c+j)
手帳: (j)+(t+a)+(2t+a)+(t+j)+(g+j)+(2t+a)+(t+j)
合計: 5g+3c+11t+7a+8j

続いて、全く"生産力"を拡大しなかった場合のリソース量を見積もってみます。 2ワーカー、2移動力と3(お金 or 磁石)が毎ラウンドの手札として、10キャンプ+15(g or c)が得られます。 キャンプは、2t, a, (j- (g or c))を得られるので、 5g+3c+11t+7a+8j = 20.5キャンプ + 16(g or c)となります。

続いて、研究ボーナスを載せてみましょう。 助手を2x5回*1, 磁石が8, 遺物が1, ドロー(最低1 (c or g))が得られます。標準的な"生産力"の助手として、例えば石板助手+車助手と仮定すると、少なくとも5t+13c+1遺物得られます。 13cをすべて偶像にすると、4偶像枠入れボーナスで4キャンプ分になります。 また、4偶像の獲得ボーナスで1.5キャンプ分くらい生産します。 5tは2.5キャンプなので、これで18キャンプ、残り2キャンプ分ですね。 先着の研究ボーナスを4ステップ分取ると1.5キャンプ分くらいになります。 また、ランタンか鳩は1回につき1キャンプ分生産しますので、1R目に取れれば2キャンプ分以上生産するでしょう。 遺物獲得ボーナスで星図か頭蓋骨が取れれば、それだけで2キャンプ分となります。

ここまでで、研究を順調に進められれば、おつりとあわせて必要なリソース量が足りているとわかります。

意識すべきポイント

しかし、実際にプレイしてみると、思うように研究を上げ切れないものです。なぜでしょうか。 1つ目の理由は、おそらくワーカーを無駄にしていることです。つまり、手札と研究ボーナスからの生産量で余るはずの、お金や磁石を取りすぎているのです。 2つ目の理由は、守護者でしょう。守護者を討伐してしまうことで研究が進まず、研究ボーナスがもらえず、"生産力"が不足するのです。単に、余剰分以上を討伐につぎ込んでしまう失敗もありえます。 3つ目の理由は、コレクションが成立しないことです。一部のリソースばかりが余ってしまうことで、あるところで研究が進まなくなってしまうのです。 4つ目の理由は、手帳を上げられないことです。早い段階での助手獲得と、終盤の3磁石+1遺物は、どちらも全体の生産量の中で欠かせないものです。 慣れるまでは、これらの落とし穴を避け、安定して研究を上げ切ることを目指すのがよいでしょう。

ワーカーを無駄にしない

双眼鏡、マチェット、飛行機、4金のアイテムはどれも魅力的です。強力なアイテムをたくさん獲得するのは、デッキビルドゲームの醍醐味でもあります。 ですが、"安定して勝つ"ことを目指すのであれば、それらの獲得には慎重にならなければなりません。 お金キャンプに行かないでください。代わりに、矢じりか宝石があれば、1ステップ目の研究ボーナスで研究を進めつつ1金もらえます。そして、1~3金のアイテムを取りましょう。双眼鏡と松明の"生産力"の差は1キャンプほどもありません。1研究進め1R早く助手が取れれば、あるいは先着の研究ボーナスが取れれば、その差を埋めて余りあります。 また、場所の発見のため3磁石確保を意識して、研究リソース以外をワーカーで取らずに済むようにしましょう。さらに、後半良い場所が開いたら、優先して確保しましょう*2

無駄な探索・討伐をしない

探索が研究リソース上効果的なのは、3偶像目までです。それ以降は枠入れボーナスが渋くなる・なくなるので、磁石は遺物にしたほうがよいでしょう。 また、研究を上げずに守護者を討伐するのを避けましょう。まずは早めに助手を確保することが大事です。かといって恐怖を受けすぎるのも困るので、余裕ができる・つまり助手を二人獲得するまでは探索は1度までとするか、廃棄を活用しましょう。

構成を工夫する

このゲームはセットコレクションでもあります。ハトと石板助手を両方取らないでください。石板が余ります。こてとつるはしを取らないでください。磁石が枯れてしまいます。助手とアイテムをバランスよく獲得しましょう。 宝石・矢じり助手を取れた場合は、お金・磁石・石板の出る場所を積極的に探索するか、自動車や時計、ダチョウなどお金・磁石・移動力を生産するアイテムを補いましょう。 お金・磁石・探索助手を取れた場合は、ランタンやつるはし、双眼鏡など、研究リソースを生産するアイテムを補いましょう。 石板・アプグレ助手は両者の中間にあります。重複する効果のものを除いて、どんなアイテムとも噛み合うでしょう。 ドロー助手はできるだけ避けます。廃棄助手はできるだけ避けるか、恐怖が出る場所や遺物と組み合わせる前提で取ります。 また、助手やアイテムに応じて、探索する場所の選び方も変える必要があります。

手帳を上げる

初めのうちは、2R目までの助手獲得を強く意識しましょう。基本的には、2矢じりと2宝石、1磁石1石板が必要です。定石編も参考にしてください。 鳥寺院の場合は矢じりが不足しがちなので、アプグレボーナスや探索+偶像枠入れボーナスを上手く活用します。また、宝石が3つ以上にならないよう気を付けます。

終盤の手帳上げ切りは、構成のバランスを工夫して、研究を上げることに集中する(序盤に守護者を討伐しすぎない、アイテム獲得やドローのために探索しない・遺物を取らない)ことで無理なく達成できるようになります。獲得できるのは直接的には磁石・遺物なので、欲しいリソースに変えるため遺物獲得の競争に遅れないようにすると、さらに得点を伸ばせるでしょう。

まとめ

アルナックはデッキビルド+ワーカープレイスメント+リソースマネジメントのゲームです。最初のうちは、あらゆる可能性にワクワクが止まらないことでしょう。 しかし、勝利のためには、何をおいても研究が重要です。研究トラックをうまく進めることが全ての基本なので、初級者から抜け出したいならまずこの点を磨きこみましょう。 研究トラックを上げ切り、かつ最後の守護者討伐ボーナスも受け取れれば、鳥面70点~75点は固いでしょう。安定して研究を上げ切れるようになったら、中級編へ進んでください。

*1:2R目に獲得して金にした場合の標準発動回数

*2:このゲームはワーカープレイスメントでもあります!